先ほどご覧になった著作権違反が実際にどんな裁判沙汰になっていたのかを見てみましょう
【平成 19年 (ワ) 15231号 著作権侵害行為差止等請求事件】
事件のあらすじ
Aは社会保険庁勤務の職員である。Aは社会保険庁が管理運営する社内LANシステム中の電子掲示板にジャーナリストBが作成した雑誌記事を掲載した。
ジャーナリストBは社会保険庁に対し、雑誌記事の掲載がBの複製権、公衆送信権の侵害に該当するとして、雑誌記事掲載の差し止め請求、及び損害賠償請求を行った。
事件の争点と考察
裁判では以下のことが争われた
1 社会保険庁の行為がBの公衆送信権侵害に該当するのか
2 Bは上記行為によって損害を受けたのか
3 Bは上記行為の差止請求ができるのか
1について
公衆送信権の定義についてAによる電子掲示板へのBの記事の記録行為が送信可能化行為にあたり、Bの公衆送信権を侵害するものと判断しました。
これに対し社会保険庁は今回の行為は「行政目的のための内部資料を作成するために複製を行ったことであり、Bの権利の侵害には当たらない」と主張しましたが、裁判所は「42条1項にて行政目的のための複製行為が例外的に複製権侵害行為に当たらない旨は規定されているが、これを公衆送信行為にまで拡張するべきではない」として、社会保険庁の主張を認めませんでした。
2について
電子掲示板に掲載された記事のアクセス数は7000回ほどとなっておりました。
Bの書籍は電子書籍としてネットで配信されており、書籍の配信料、著作権使用料を考慮し、Bに損害があると認定しました。
3について
本件の電子掲示板は既に社会保険庁が閉鎖していましたが、今後Bの記事を掲載再開するおそれがあるとして、予防的に差し止められることになりました。
いかがでしたでしょう?これ以上の詳細については株式会社パテントビューロが運営する著作権判例データベースにてご覧いただけます。


